ひぐらしが泣く泣くなく頃に

□DIE1賞「やっぱどんなことでも始めが肝心だよね!あっ、やべ・・・これ返却日過ぎてんじゃんorz」
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生ぬるい空気が私の身を包む。
何か大切なものが抜けていく…この感触。
私の目はもう何も見えなくなってしまったけれど、この出来事は決して、忘れることは出来ない。
出来るはずがない。
ああ、これで何回目であろうか…いつしか数えることも忘れてしまった。
昭和58年6月−。
私の、「命日」。
今回は上手くいくんじゃないか…何度、そう思ったことか。
だけど、度々この日を迎え、私が「時間を巻き戻す」たびに愛しい仲間たちが、大切なこの雛見沢が無意味に傷つき、惨劇に彩られるたび、私の中の希望は絶望に塗り潰されていった。
やがて、抵抗していく意志もどんどん弱くなっていった。
その証拠に、巻き戻せる時間も日増しに短くなってきている。
…思考することが億劫になってきた。
私の身に死が近づいてきている。
いっそこのまま成仏すればいいのにとも思ったこともある。
だけど、そうしてしまうと…残された仲間が、かけがえのない友人たちが、私の代わりに苦しみを味わってしまう。
それだけは、せめて回避させたい。
結果はどうであろうと、みんなで笑って日常を楽しむことが出来るのなら…。
それに、前の世界で圭一が他の世界の記憶を共有できたように…あんな起こり得ない奇跡が起きるかもしれない。
それが、今の私の唯一の希望だった。
…頭が、重くなってきた。
嗚呼、願わくは…この惨劇が次で………
おわり……ます…………ように……………

意識がなくなる一瞬、私の顔を風が慰めるように優しく撫でた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・フレデリカの部屋・

アナタハイマドコデナニーヲシテイマスカ♪(カケラの映像が消えてエンドロールが流れる)

ベルン:「どうだったかしら、この『七転び八起き編』は?」

梨花:「改めて見てもひどい終わり方ね。不愉快極まるわ。」

ベルン:「そう?私の中でもこのカケラの世界は『ベスト・カケラ・オブザイヤー』のベルン賞を余裕でかっさらえるわよ。」クスクス

梨花:「何なのよそれ。」

ベルン:「特に意味はないわ。それにしても…最期がまさか、定番化してきたお腹を裂かれるのではなくて竹槍で突かれて殺されるなんてね…プフッwww」

梨花:「まさか、いきなりあそこで竹槍が出てくるなんて予想もつかなかったわ…悔やんでも悔やみ切れない…ていうか貴女今笑った?」

ベルン:「まさに藪からスティック…ブッフwwww」

梨花:「つまんないこと言うんじゃないわよ。
だいたい今どきルー語なんて時代遅れも…あ、今完全に笑ったわね。
その髪引き抜いてやるわよ?」

ベルン:「まあまあ落ち着いて。最近目新しいこともなかったし、なんかワンパターンになってきちゃったのよね。」

梨花:「あんたの都合なんて知ったこっちゃないわよ。こっちはね、毎回毎回死んでるのよ!?貴女にこの苦しみわかる!?」

ベルン:「っ!?ごめんなさい、違うのよ…(やばっ地雷踏んだ)」

梨花:「違わないわよッ!いつも仲間が些細なことで引っ掻き回されて、気が付けば誰かが殺されてッ!
皆が不幸になっていくのを尻目に私も殺されてッ!
…貴女には分からないでしょう…。」ギリギリッ

ベルン:「…ごめんなさい。もし、私が貴女と同じ立場だったら耐えられないと思う。
私にも、友人がいるもの。
(急にキレて怖いわね…少し発言は控えようかしら。それにしても最近の子ってキレやすいわねー…カルシウムが足りてないわ。)」

梨花:「…以外ね、貴女に友人がいるなんて。」

ベルン:「あら、私はそのつもりだったんだけど?」

梨花:「こっちから願い下げよ。」

ベルン:「それは残念。あら、もう時間みたいね。」

モヤァ…(なんか黒い靄(もや)が梨花を包んでいく)

梨花:「今度こそッ…私は仲間たち全員で…この惨劇を乗り越えてみせる…!」

ベルン:「出来るといいわね。今のところ可能性は限りなくゼロに近いけれど…。」

梨花:「…ッ。それでも…私は突破口を見つけてみせる。
この負の連鎖を次の世界で断ち切ってやるわッ…!」

ベルン:「そう…。それじゃ、いってらっしゃい。」

スゥ…(黒い靄の中へ消えていく)

ベルン:「ふふ…私としてはもう少し、貴女の悪あがきが見たいのだけれどね…。
さて、次のカケラは…あら?何これ…?
なんか、形がちくわぶ?みたいね…。こんなのあったかしら?」

ポウ…(ちくわぶみたいなカケラが光りだす)

ベルン:「ていうかこれ、どうやって見たら…」

(魔女思考中…)

ベルン:「この穴からみるのね…正直見づらいわ…。
さて、今度はどんな悲劇が待っているのかしら♪」ワクワク
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ひぐらしが泣く泣くなく頃に
〜ディスカバリー編〜
DIE1話「おらは死んじまっただぁって歌一体誰が作詞作曲したんだろ?」

・昭和58年6月 雛見沢村 梨花&沙都子の家 寝室 ベッドの中・

ゴソッ…

梨花:「ううん…(この感触…ベッドの中?)」

???:「おら〜は死んじまっただ〜♪おら〜は死んじまっただ〜♪」シャカシャカ

梨花:「(何この歌…ていうかこの声って…)」

ガバッ…

梨花:「…羽入?」

羽入:「ビクゥッ!?」

チリンチリン…
(どことなく気まずい空気)
ジーワジーワ ミーンミンミンミィィン

梨花:「…なに、やってんの…アンタ。」

羽入:「うぇっ?!あぃぃ、いつから起きてたですか?」ワタワタ

梨花:「ついさっきよ。で、アンタは何やってんの?そんなヒゲメガネかけて、マラカス振りながら変な歌歌いだして。
しかもその巫女服、なんかスパンコールでキラキラ光ってて眩しくて、鬱陶しいんだけれど。」

羽入:「えっ、これは梨花を起こす儀式に決まってるじゃないDEATHかー。」ニコッ

梨花:「儀式ィ?何よそれ?ふざけてるの?」

羽入:「あう?ひょっとして梨花…記憶が巻き戻ったのですか…!?」プルプル

梨花:「そうよ。で、今日は何月何日でここはどこ?」ナニフルエテンノヨ

羽入:「あうあうAUーーーーーーッッッ!!
なんてこったDEATHゥゥーーーーーーッ!!」

梨花:「うあぁっ!?何よ急に変な大声出して!?」

羽入:「あああ…神様…あんたってヤツァ、何処まで残酷なんDEATHか?」

梨花:「いや、神様はあんたでしょ?」

羽入:「チキショウ、こうしちゃいられねぇですぅ!!
このことが入江メイド喫茶新領域所の奴らやカレー死守同盟にバレたらえらいことになるですゥゥーーーーーーッッッ!!」

梨花:「ハァ?入江…メイド?カレー死守同盟?何言ってんの?
ていうか質問に答えなさいよ。」

羽入:「嗚呼、なぜ巻き戻る以前の記憶も引き継げるように設定しなかったのか…くっ、このハニュウ・シウクリィム・DIEスキー一生の不覚ですゥゥゥゥッ!!」

梨花:「…おい。」

ハニュウ:「ハッ!しかもあと三週間後にはオワタ流しが始まるんぢゃないディスカーッ!
このままじゃ公由家やその先家にも遅れをとってしまう…しかもっ」

梨花:「おい。」

ハニュウ:「公由家に至っては近々興宮シティからあの銀河究極最狂少女・夏見が召集されますし、その先家は半ば現役引退の当主の代わりに当代最強と名高いミオンとシオンが出場しますし…ああぁ八方塞がりでs」

梨花:「いい加減にしろォォォォォォッ!!」メメタァッ

ハニュウ:「ビアードッ!!」ドグチャアアア

梨花:「何なのよあんたさっきから訳の分からないことばかり口走って…。
ついにあんたボケたの?
ボケたにしろ質が悪いわ。
おかげで私も読者も大混乱よ。
これじゃ明らかにひぐらしの名を借りた詐欺じゃない。」

ハニュウ:「ウウ…その聞く者の心をへし折りにかかるようなツッコミと罵倒のコンボ…。
そして仮にも神であり先祖であるボクに対する狼ぜ…いや、全力の右ストレート…。
これはまごうことなき、FULLで家一子相伝の奥義、『罵倒疾走(ジーズ・オーバードライウ゛)』ッ!!」

梨花:「もっかい殴られたいの?」ゴキゴキッ

ハニュウ:「すいませんでした。1から説明しますので勘弁してください。
ホント痛いんで。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・フレデリカの部屋 カケラモニタリングルーム・

ベルン:「こ、このカケラはッ…!!」ゴゴゴゴゴゴ…

ベルン:「…私が生まれて早、『アッー!(カケラから謎の音源)』年…。
ここまでのプレッシャーを感じるのは初めて…。」

こ の 『 カ ケ ラ 』、 実 に お も し ろ い !

ベルン:「フフフ、まさか百年の魔女と呼ばれる(自称)この私にここまで引き付けるなんて…」

ベルン:「アッハッハッハッ!!いいわこのカケラ!
さあ、見せて頂戴!一体どんな喜劇を魅せ付けてくれるのかしらッ!?」

カケラ:「うっせーな静かに見ろや。ミンチにすっぞ。」

ベルン:「え゛っ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
時は冷戦末期!

とある県の小さな寒村・雛見沢村に立て続けに起こる「オヤシロさまの祟り」と呼ばれる連続殺人事件!

そして、昭和58年6月に何者かにより殺される運命に挑み続ける少女、古手梨花ッ!

彼女はこの土地の神(所謂オヤシロさま)、羽入の力によって昭和50年代後半の時代を幾度も繰り返してきたッ!

しかし、度重なる不幸の連続に彼女の精神は削られていき、巻き戻れる時間も刻一刻と減り続けていったッ!

そして、再び昭和58年6月!

何度目かもわからない巻き戻しに目覚めた彼女の目の前に現れたのは、あまりにも奇抜な格好をし、珍妙な歌を歌う長年のパートナー、羽入ッ!

そして、そんな羽入の口から発せられた言葉もあまりにも理解不能、奇想天外の数々ッ!

果たして、古手梨花は、無事に仲間たちとともに昭和58年6月を、幾百年続く惨劇を乗り越えられるのかァッッッ!!

それより何より、梨花が訪れたこの世界は一体どうなっているのかッッ!!

次回ッ!

ひぐらしの泣く泣くなく頃に〜ディスカバリー編〜
DIE2話「素晴らしき新世界へようこそッ!一名様ご案内ィィィッ!」

お楽しみにィィィッ!!


ベルン:「ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛シャベッタァアアアアアアア」
カケラ:「うわあ何だこの女気持ち悪っ!」

おわれ。
 

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