聖闘士星矢Ωオリジナル話
□やきもち
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龍峰は廊下でため息をついた。
(ナナは最近一緒に帰ってくれないな。)
彼女とはパライストラに入った時期はちがうけれど、同い年で昔から寮まで一緒に帰っていた。だが、12月になったらめっきり一緒に帰らなくなってしまった。
(もしかして誰か好きな人ができたとか!)
龍峰の胸がきゅーっとしめつけられた。
(なぜこんな気持ちになるのかな。もしかして、好きだったんだ。ナナのこと。)
ふーっと息を吐き、気持ちを整理する。
(今思えば、一目惚れだったのかもしれない。ただ幼かったからこの気持ちにきずけなかっただけ。もし、好きな人が居るなら僕は親友として我慢する。)
そんなことを考えながら廊下を歩きだすとナナがエデンと楽しそうに笑いながら歩いてきた。龍峰はなんだかむらむら感におそわれた。
(どうしちゃったんだろう僕。こんな気持ちになるなんて、僕らしくない。エデンがじゃまだとか思うなんて。これがやきもち。)
「龍峰、どうしたの?」
うつむいている龍峰を心配してナナは龍峰にかけよってきた。
「大丈夫だよ?」
作り物の笑顔を見せ、龍峰はナナを見た。
「本当?無理はだめだよ。」
龍峰の手をぎゅっと握るては柔らかくそして、暖かかった。それをまた、飲み込んだはずの、むらむら感が蘇らせた。