ぽこ・あ・ぽこ〔小説〕
□9章『はじまり』
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メールの送り主は愛希ちゃんからだ!!
何故かドキドキしながらメールを見る俺がいる
『今日は部活お疲れ様でした。私なんかに気を使ってもらってありがとうございます。一緒に太鼓頑張りましょうね。』
俺の中での愛希ちゃんの声でメールを読んだ。
なんて健気なんだ……。
もしかして俺は愛希ちゃんに……。
嫌々、俺は真沙美がいるだろう何考えてるんだ!!
すかさずメールを返信した。
『お疲れ様。私なんかって、女の子は体大事にしないとね。』
愛希ちゃんとの初めてのメールのやりとりで俺は一人でテンションが上がってしまったが真沙美にも送らないと。
愛希ちゃんの事を一旦忘れて俺はまたいつも通りに真沙美に返信をした。
そして家に着くとまたあの二人がうちのマンションの前にいる。
今回は別に隠れもせずに、堂々と二人に向かっていった。
「雅おかえりー♪」
「藤田遅かったな?」
二人同時に声を出し、また二人は顔を赤くしていた
ラブラブ見せつけるなよと思いつつ俺は返事をした。
「ただいま♪」
「なんか雅機嫌いいじゃん?何か合ったの?」
「別に何もないよ♪」
「そうかな?あっ!話し変わるけど、明後日の土曜日4人で遊園地行かない?」
4人って田島と美空と俺と誰だ……?
「4人って?」
「決まってるじゃん!私とカズと雅と愛希ちゃんだよ♪」
っ!!愛希ちゃん!!
「まぢで言ってるの?」
「当たり前じゃん♪」
「愛希ちゃんはいいって言ったの?」
「いいって言ってるから雅の事誘ってるんでしょ?」
「……そっか」
まさか愛希ちゃんがOKを出すとは……
「でも、何故4人?2人で行ってくればいいじゃん」
普通に考えれば俺達が着いて行ったら邪魔になるだけだしな……
「だってそこの遊園地はカップルが始めてデートすると別れるって噂があるからさ♪2人はただの道づれ♪うちらは別れたくないし♪ねぇーカズ♪」
「あっうん。」
はいはい。
道づれつってこれでよく愛希ちゃんは許したな。俺の考えだけど、この美空の勢いに愛希ちゃん負けたんだろうな……
「そういえば愛希ちゃんってどこに住んでるの?」
「えっ??」
田島と美空は顔を合わせた。
ん??
なんだこの反応。
「……雅って愛希ちゃんの事覚えてない?」
えっ!!?
突然の質問に俺は驚いた。
俺と愛希ちゃんはどっかで会ってるのか?
「その顔は覚えてないんだね」
「うん」
「愛希ちゃんは雅の事覚えてるって言ってたよ?」
どこでだ!!
俺は使えない頭で記憶を辿っていった。
しかし、平田愛希っていう名前の子は思い出せない!!
「私と出会う前の事だよ?」
美空と出会う前って行ったら保育園の時?保育園の時なんて全く覚えてないな。
「保育園の時に俺と愛希ちゃんは出会ってるの?」
「そうだよ!雅本当に覚えてないの?」
「うん」
俺はまた鞄の中にあるタバコに火をつけて考えた。
タバコを吸ったって何も思い出さない。
「藤田ってタバコ吸うのか?」
田島が驚いた顔をしていた。
俺が吸うなんて想像しなかったらしい。
実を言うと美空も吸っているがここはあえて言わないようにしよう。
その前に愛希ちゃんとの記憶だ。
「もう我慢の限界!雅に私から教えてあげるわ!」
「うん。よろしく……」