ぽこ・あ・ぽこ〔小説〕
□10章『遊園地・前編』
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ピッピッピ♪
翌朝俺は4時30分に目覚めた。
すごい眠い。
だがしかし、ここで二度寝をしたら確実に起きれないと思った俺は無理矢理体を起こした。
リビングへ行き、タバコに火を付けた。
「あぁ眠い」
自然と独り言が出てしまう。
すると、携帯が鳴りだした。
♪♪♪♪
こんな朝早くから誰だよ。
メールを開いた。
『雅起きた?』
美空からだった。
『起きてるよ』
返信をすると美空から電話が掛かってきた。
「もしもし雅起きるの早いじゃん♪」
「おう」
「テンション低くない?」
「そりゃこんな朝早く起きれば低くなるわ」
「そっか♪言うの忘れてたけど今日愛希ちゃんの誕生日だから♪」
その美空の言葉で脳が目覚めた感じがした。
「知らなかったけど?」
「うん♪だって言わなかったもん♪」
「それは言っとこうよ」
「なんか雅愛希ちゃんにプレゼント買ってあげなね♪じゃ♪」
俺の言葉を聞かずに美空の電話が切れた。
まぁ愛希ちゃんが欲しい物を買えばいいか。
そんな事を思いつつ俺は準備を開始した。
風呂に入り鏡の前に立った俺はいつも学校に行くと時とは違う髪型にセットした。
親父が使ってるワックスと香水を無断で借りて準備が終わった。
時計を見ると5時20分を指していた。
やばっ!!?
急いで家を出て集合場所へと向かった。
集合場所と言っても家なんだから急いでも仕方ないが……
1階に降りるともう3人がすでに俺の事を待っていた。
「雅来たね♪じゃ行こ♪」
美空の言葉でみんなは駅へと向かった。
地元の駅から今から行く遊園地まで約1時間の電車旅。
家を出てコンビニに着いた。
「俺コンビニ行ってきていい?タバコ買いたいんだ。」
田島がそう言ったので俺も一緒に入る事にした。
「私達は待ってるよ♪」
そう言って美空と愛希ちゃんは外で待つ事になった。
「藤田何買うの?」
「俺もタバコ」
「藤田がタバコ吸うようには見えなかったよ。マヂで」
「よく言われる」
「春先でも寒いし女の子達に暖かいの買って行かない?」
「いいね☆」
俺は田島の意見に賛成した。
しかし、愛希ちゃんは何が好きなんだっけな……
俺は朝から頭を働かした。
「あっ!!」
「何だよ!藤田。びっくりしたな!」
「悪い」
愛希ちゃんはココアが好きだった。
それは俺と同じだった!
「俺は迷わずココアに手を伸ばした」
横を見ると田島も選んでいた。
「……藤田……美空の好きやつどれ……?」
はぁ!!?
「田島知らないの?」
「……うん。」
「美空はカフェオレが好きだよ」
彼氏なのに知らないのか??
「ありがとう」
「助けたんだからタバコ買って♪」
「しゃぁねな」
ラッキー♪♪
二人は飲み物とタバコを買ってコンビニを出た。
美空は田島が自分の好きな飲み物を知っていてめちゃくちゃ嬉しそうにしてるな。
俺はどうかな……
愛希ちゃんの目の前に行き俺はココアを渡した。
「愛希ちゃんってココア好きだよね?」
コク。
「これ愛希ちゃんのやつね」
愛希ちゃんはまさか俺が買ってくるとは思ってなかったのか少し驚いている様子だ。
「いくら春でも、朝方は寒いからさ♪飲んでね♪」
「………ありがとう」
ものすごい小さな声だったが始めて俺と愛希ちゃんの会話だった。
その後4人は電車に揺られ遊園地のある駅に着いた。