ぽこ・あ・ぽこ〔小説〕
□11章『遊園地・後編』
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真沙美が何故……
それに悠介って誰だ……
俺は恐る恐る目を開けた。
俺達の前を通ってたのはまさしく、真沙美であった。
俺は浮気されているのか……?
そんな事を思っていたら何故か涙が流れてきた……。
その涙に気づいたのか愛希ちゃんが驚いていた。
「……雅くんどうしたの?」
「……何でもないよ」
「涙が出てるよ……?」
「……そうかな?あくびだよ」
愛希ちゃんには関係がない事。
俺は何も言いたくなかった。
そしてしばらくすると、美空と田島が帰ってきた。
「ただいま♪えっ?なんで雅泣いてるの?」
美空がいきなり気づいた。
それを見た田島が俺の手を引っ張り喫煙所と向かった。
女の子二人は何なのか分からない顔をしていた……
喫煙所に着いた俺と田島はしばらく無言になっていた。
「もしかして藤田……あの二人に会ったのか……?」
「あの二人って?」
「広瀬と水崎にだよ」
「……え?なんで知ってるの?」
「俺達、藤田が休んでいる間アトラクションに並んでいたら広瀬と会ってな……その時に一緒にいた女が水崎真沙美って紹介されたんだよ。」
やっぱり真沙美だったんだ……
信じたくなかった俺がいたがやっぱり現実だったのだと思った。
でも、なんで広瀬と……
あっ……!!そういえば……
「ごめん!俺知ってたんだ……」
田島の言葉に俺はびっくりした。
「どういう事?」
「一昨日広瀬が部活終わった後連絡が来て、すげぇ喜びながら電話してきたんだよね。んで、話しを聞いてたら水崎真沙美っていう女だって広瀬が言ってさ……。」
「でも、昨日学校で広瀬と会った時名前分からないって言ってたよ。」
「あいつあまり相手の名前言わないから……藤田に言わなかったんじゃないかな……」
「そうなんだ……」
「そして、藤田の口から水崎真沙美っていう名前が出てきた……」
「………」
「けど、これだけは言っておく。広瀬はお前の女とは全く知らないし、もし知っていたら絶対拒否る奴なんだ。今回は女の方が逆ナンしたらしいから広瀬には悪気があった訳ではないんだ。そこだけは、藤田分かってくれ。」
「うん。」
田島と話しをしている俺は無性に真沙美の事がムカついてきた。
「藤田、ここははっきりした方がいいと思う。」
「分かった」
そして、俺は携帯を開き真沙美に電話を掛け地た。