ぽこ・あ・ぽこ〔小説〕
□12章『帰宅』
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「え??………好き?」
「……うん」
今日色々な事がありすぎて俺は愛希ちゃんの言っている意味が分からない状態になっていた。
「……ありがとう」
俺はその一言しか言えなかった。
「あっ……いや……その……」
愛希ちゃんは急に顔を赤くしていた。
「雅くん……さっきのは忘れて……!!」
どういう事だ??
そしてタイミングよく美空と田島が戻ってきた。
「雅♪花火見れた?」
「あっ……うん」
「どうしたの雅?」
「何でもないよ」
「あれ?愛希ちゃん顔赤いけど?」
「みぃちゃん何でもないって!!」
「そう?変な雅と愛希ちゃん……」
「愛希ちゃんこのジュースあげる♪」
「みぃちゃんありがとう」
俺と愛希ちゃんは美空達には何にも言わなかった。
そして俺達四人は家へと帰って行った。
帰り際田島から広瀬と真沙美の事を聞いた。
あの二人はあの後家へと帰ったらしい。
もし、あの時俺達四人も帰っていたら間違いなく同じ電車に乗っていただろう。
愛希ちゃんに感謝だな。
「あっ!!」
「何いきなり雅!!」
「先二人で帰っていいよ!ちょっと愛希ちゃん来て!!」
そして、俺は愛希ちゃんの手を引っ張りまた遊園地の中へと戻った。
「ど、どうしたの?雅くん!!」
「今日さ愛希ちゃんの誕生日なんだよね?今日愛希ちゃんには色々迷惑掛けたし俺愛希ちゃんに何にもあげてないから欲しいの買ってあげようと思ってさ!」
「……そんないいのに……」
「いいわけないよ!!」
そう俺は遊園地の出口寸前で今日愛希ちゃんの誕生日だという事を思い出したのだ。
「……分かったよ。ありがとう……」
そう言うと愛希ちゃんは俺の手を引っ張りジェットコースターの所へと向かった。