ぽこ・あ・ぽこ〔小説〕

□13章『日曜日』
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ガタン!!

家の玄関を閉める音で俺は目覚めた。

「ふぁぁー」

俺は床から体を起こした。

すると愛希ちゃんが俺の布団の上で体育座りでこっちを見ていた。

「おはよう。どうしたの愛希ちゃん?」

「私……なんで雅くんの家にいるの……?」

顔を赤くしながら愛希ちゃんが聞いてきた。

「愛希ちゃん美空に酒飲まされたんだよ?記憶ないの?」

「……うん」

ということはあのキスも記憶がないって事か……

「酔わされた愛希ちゃんも可愛かったよ?」

「えっ……!!?」

愛希ちゃんの顔が赤いのにまたより一層赤くなっている。

これでキスしたんだよ。なんて事を言ったらどうなってしまうのだろう……

「……私……雅くんになんかしちゃった!!?」

「えっ!!?何にも!!」

その質問に俺はびっくりしてしまった。

やはり記憶がないんだ。

「良かった……雅くんに嫌われるような事やっちゃったかなって……」

嫌われること?

「例えば?」

「雅くんの事を……好きとか……キスとか……」

それやってたなぁ……

ていうか今酒飲んでないのに好きって言ってるし……

「愛希ちゃん俺の事好きなの?」

「えっ……!!?」

「今好きって言わなかった?」

「え……いや……その……」

少し顔の赤みが治まってた愛希ちゃんだが俺の質問に先程以上に顔を赤くした。

「ありがとう」

「え……うん……」

俺が口を開くと愛希ちゃんの体はびっくりしている様子である。

あの酔っている時の愛希ちゃんとは全然違う。

「あのさ……愛希ちゃん……」

「はっはい!!」

「俺……」

♪♪♪♪

タイミングよく親から電話が掛かってきた。
なんだよ!!

「もしもし」

「あら?起きてたの?」

「玄関を閉める音で起きた」

「そうなの?」

「あぁ」

「今日あんた出掛ける?」

「なんで?」

「今愛希ちゃんのお母さんとお父さんと私とお父さんで出掛けたんだけど間違えてあんたの鍵も持って来ちゃったのよ♪」

「はい?」

「だから愛希ちゃんと留守番しといてね♪」

「はい?ちょっと待って何時に帰ってくるの?」

「夜の10時頃かな♪お昼は二人でなんか出前とか食べてね♪じゃぁね♪」

「おい!!」

プープープー

電話が切れた。

愛希ちゃんの方を見ると??マークが頭の上に出てるような感じになっていた。

「愛希ちゃん……俺達二人きりらしい……」

「えっえ!!?」

「俺の鍵を間違えて持っていったらしく外に出れない……」

その言葉に愛希ちゃんはまた顔を赤くした。
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