ぽこ・あ・ぽこ〔小説〕

□4章『かすかな始まり』
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「広瀬!?」

「おう。藤田。お前の家って公園なのか?」

ヤバい。まさかいるとは思ってなかった。

「うん。ここ俺の家。」

「バカじゃん?おっ!!黒川さんもいるじゃん。みんなで一緒にカラオケいかない?」

あと170円しかないだ。行きたくもないし行ける金何かない。

嫌々そうな顔をしたら広瀬に気づかれた。

「なんだ。その顔は。行きたそうな顔だな。」

広瀬まじで空気読めよ。

「黒川さん今から藤田の金でカラオケ行くけど来る?」

「雅の財布から出るなら行ってもいいよ。」

美空何言ってるんだ。俺はお前の財布でもない。

アイスといい。カラオケまで?

だから、モテないんだ。

「ノリいいね♪藤田も行くぞ。」

「……俺金ない。」

恥ずかしながら広瀬に財布の中を見せた。

「ひゃくななじゅう円?」

「170円で何が出来るんだ?まぁ誘ったのは俺だし今日は俺が出すからカラオケ行こうよ。」

当たり前だ。

でも、行きたくない。

俺の気をよそに美空は行く気まんまんな表情を見せている。

「雅行こうよ♪」

「藤田行こうよ。」


二人から言われ、俺はしょうがなくついて行くことにした。
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