ぽこ・あ・ぽこ〔小説〕

□9章『はじまり』
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「雅と愛希ちゃんは一緒の保育園だったんだよ!雅はその時誰とも話せなくてとってもシャイな子だったんだって。誰とも仲良くしていなく……保母さんにもなんも話さない子で何か分からない子だったらしい!」

やっぱり同じ保育園だったのか!!
美空と会う前って保育園しかないからな……
でも、俺保母さんに対してそんな態度とってたのか……なんていうガキだ。

「でも、ある日保母さんが雅が笑顔で誰かと話してる所を見たんだって!」

うーん……思い出せない……

「雅が誰とそんなに仲良くしてるんだろうと思って柱に隠れて見てたら相手は平田愛希ちゃんだったんだよ!」

「愛希ちゃんと!!?でも、俺って昔無口だったのか?まぁ今も無口だけど……」

「うるさい!!話しは最後まで聞く!!」

恐っ!!

「はーい」

「そっから愛希ちゃんと雅はずっと一緒だったんだって!でもある日愛希ちゃん家の都合で引っ越す事になって最後の保育園の日雅は愛希ちゃんをずっと抱き締めて離さなかったらしいよ!その時雅が愛希ちゃんに言ったのが……」

「どした?美空?」

「私が話せるのはここまで♪」

めっちゃ重要な所じゃん!!?

「田島は知ってるの?愛希ちゃんが俺に言った言葉」

「知らねぇーよ」

「カズ聞いてなかったの!?」

「うん」

「じゃカズには教える♪」

はい?

そして美空は田島の耳元でその後の話しをした。

「まぢかっ!!」

「うん♪」

なんだっ!!?

「藤田……お前って奴はすごいな……」

と言って俺の肩を叩いた。

えっ!!?

田島が泣いてる!!

わからん!!

何にも思い出せん!!

そんな泣く事言ったのか?

「後は雅が思い出すだけだよ♪愛希ちゃんも保育園の時友達いなくて一人でいた時に雅に声掛けられて凄い嬉しかったんだってさ♪」

「うん。でも愛希ちゃん俺と今全然話してないよ?」

「それは……こっからは自分で頑張りなさい!!」

まっいいか。

でも、俺と愛希ちゃんが昔会ってるとは全然覚えてないな。

「あとこの事私が話したなんて言っちゃダメだからね!」

「わかった」

俺は昔の記憶を思いだしながら家へと帰った。

家へ帰った俺は真沙美にメールをして、飯を食っていた。

「保育園ねぇー」

「何?あんた保育園って」

お袋が俺の独り言が聞こえたのか話しかけてきた。

「俺って保育園の時どんな子供だった?」

「保育園の時??」

「うん」

「そうねーあの時はあんたは今と違ってもっと可愛かったわ」

親バカか!!

「そうじゃねーよ!保育園の時俺誰とも話さなかったって聞いたんだけど……」

「そうねーあんたはあの時一匹狼みたいな感じだったわねーでも可愛いかったわよ」

お袋に聞くんじゃなかった。

「でも、そうねーあの子には誰よりも優しくしてたわ。」

あの子って!!

「その子って平田愛希っていう子?」

「そうそう!愛希ちゃん!愛希ちゃんのお母さんと私同級生でね♪仲良くしてたのよ♪」
やっぱり……

「あんたは愛希ちゃんを離さなかったわよ。ずっと愛希ちゃんのそばにいたもんね♪あの日も……ウフ♪」

ウフ♪じゃねぇし!!気持ち悪いわ!!

「それでその愛希ちゃんってどこに住んでるの?」

「あんた知らないの!?」

「知らない」

「あんたと愛希ちゃんって同じ高校なんでしょ?話してないの?」

何で知ってるんだ!!?

「この前久しぶりに愛希ちゃんのお母さんと会ってね♪あんたと愛希ちゃんが同じ高校に行ってる事聞いたのよ。」

それでか……

「あんたと愛希ちゃんは……ウフ♪」

「何だよ!!」

「あら♪恐い恐い♪」

みんなして何だ!!

「私は寝るわよ♪愛希ちゃんと仲良くね♪」

「おやすみ!」

俺は無性に腹が立った。
思い出せない自分に。

そんなイライラをしながら布団に入った
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