赤と黒と白

□1Q
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1:黒子はボクです


私立誠凛高校―


俺は目の前の光景に思わず絶句してしまった

そして一言


「人、多っ!!」


そう、俺たちの前にはものすごい量の人がたかっていたのだ


「ほんとに多いですね、人」


隣にいる幼なじみのテツが言う

確か幼稚園に入る前からの付き合いだ



「とりあえず進むか」

俺が集団を指さしながら言うとテツは頷き歩きだした














「ラグビー興味ない!?」

「将棋とかやったことある?」


中に入ると思った以上にすごかった


二年生は勧誘で五月蠅いし、一年は一年ですっごく邪魔だ


「ラッセル車持ってこーい!!」



…腕邪魔で通れないんだけど

と思ってる横でテツがしゃがみながら潜り抜ける


あ、そうすればいいのか


テツの真似をし、俺も腕を潜り抜けた






「バスケ部のブース何処だー?」


「………」


「テツ、どうしたんだ?」



テツの顔を覗き込むと少し暗い顔をしていた


「その言葉使い、やっぱり吹雪には似合わないと思います。なんで、そんなに変わってしまったんですか…?」


「え、そんなこと考えてたのか!?」


無表情でそんなことを考えてたんだ


あ、今何で幼馴染なのに分かんねーんだとか思っただろ


付き合いが長いからって考えてる事全てが分かると思うなよ


そんなこと普通はあり得ない。覚えておくんだな



…って、話逸れちゃったな…



「んー、イメチェン?」

「真面目に答えてください。顔面イグナイトしますよ」



うっわ、真っ黒子様降臨しちゃったよ



「ごめんなさい、すいません、まだ死にたくありません」


「死にたくないなら早く答えろ」


うん、もう敬語が消えてるよ

ていうかそんなこと言われても、答えられないもんは答えられないしな…


このことを話したらテツにまで多分被害がいっちゃうし…


「あ」


目の前にバスケ部のブース発見

ナイスだよバスケ部さん!!


「あ、て、て、て、テツ!!ほら、あそこにバスケ部のブースがあったよ…?」


「本当ですか?」


無事にごまかせた…かな?



「じゃあこの話は家に帰ってからゆっくりと聞かせてもらいますから」


「え」


「いいですね?」


ダメだ、全く誤魔化せてなかった…

テツの後ろに何か闇まで見えてきたし


「いいですね?」


「は、はい…」


あんなキレ顔で言われたらなにも言えなくなるよね…



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