時と空間を操る者

□Prologue
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「…あっつ」


この温度に対して思わず呟く

あー確か天気予報のお姉さん今日34℃まで上がるって言ってたっけ


「確か今日34℃まで上がるって言ってたよなー」


隣の坊主(名前忘れた←)も同じことを考えてたらしい


俺が今思っていたことをほとんどそのまま言っていた



「何でこんな時に部活があっかなー」



坊主の隣で歩いている古橋(こいつは覚えてた)が愚痴をこぼす


「ていうか何故道着で帰らなくちゃいけねーんだよ」

「全くだ。意味わかんねー」

「確か監督が時間間違えて道場修理の時間ギリギリまで部活やったからだろ」


上から坊主、古橋、俺



「でも着替える時間ぐらい欲しいよなー」

「確かに欲しかったな」


あの監督のせいで俺ら剣道部は全員道着で帰らされている


おかげで暑いったらありゃしない


そんな他愛もない話をしてるといつのまにか交差点まで来ていた


「んじゃ俺こっちだから」

「おう、じゃあなー」

「またなー」


二人と別れ帰路を歩く


家が二人とは正反対の方向にあるのでここからは必然的に一人になってしまう


「家帰ったらツバサでも読もっかなー、それともxxxHOLiCを読むかなー」


一人呟きながら道を曲がった


「わーお」


はずだった



本来そこには道があるはずなのに道が無く、ぽっかりと穴が開いていた


勿論曲がってしまった俺の下にあるはずの道も例外なく


 あ、これ落ちる


そう思った途端に体が下へ向かって落ちていく


「え、ちょっ、うわああああぁぁ…」



これは旅の始まりだった―



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