時と空間を操る者

□始まりの国
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落ちてからどれくらい時間が経ったのか


真っ暗だった穴の先から光が見えるのがわかる


目を凝らしてみると人がたくさんいるようだ


―人がたくさんいる?


「やべっ!?ちょっ、どけぇぇぇえ!!?」


このままだと真下にいる黒い人にぶつかってしまう

なので叫んだのだがその人は動く気配が全くしない


―ぶつかること決定。


ガツンッ


そう思ったのと同時に黒い人とぶつかった


「いってー…」


思ったより強かった衝撃に思わず呟く


するとコツコツと足音がこちらに向かってくる


「来たわね」


近づいてきた人はそう言った


誰なのかと思い顔を上げるとそこには見知った顔が

「侑子さん…!?」

「貴方は私のことを知っているのね」


―ちょっと待て


何で漫画の人物が此処にいる?


うん、夢だなこれは

なんてすばらしい夢を見てるんだ俺


「夢じゃないわ、現実よ」

「え?何で俺が考えてる事…」

「普通に声に出してたわよ。あ、あと早くその男の上からどかないと多分殺されるわよ」


その男の上?


俺の下がもぞっと動き、反射的に飛び退く


するといたのは黒い男


「ってめ…」


相当御怒りのようだ


すいません、と言いながらその人の顔を見る


「…っ!?」


なんてびっくり

その顔はツバサに出てくる黒鋼さんでした


もしかしたら…と思い周りを見渡す


ああ、やっぱりいました


ファイと小狼とサクラだ


―俺はツバサの世界にトリップしてしまったようだ

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