キセキの再会
□1Q
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「ここが誠凛高校ですか…」
私は創立二年目の校舎を見上げながら言う
誠凛高校
今日から私が通う学校
五月に転入なんて変な人と見られるかもしれませんね…
そう思いながら私は校舎に入っていった
*
「疲れました…」
学校に入った後すぐに教室に連れて行かされた私はものすごい勢いで質問攻めにされてきた
おかげで疲れてしまい、只今屋上で休憩中です(もちろん昼休み)
購買で買ったサンドウィッチを食べ終え、ふうと息を吐く
するとドアのほうから騒がしい声が聞こえた
バンっとけたたましい音を立てて扉が開く
「さて、ここで一年たちの帰りを待ちましょ」
入ってきたのは二年の先輩方で女性一人と男子大勢
これがいわゆる逆ハーですかね…?
私は先ほど入ってきた集団を見ながら考える
まあ、私は人より影が薄いので気付かれないだろう
彼らを見るのをやめ、壁に寄りかかる
目を閉じるとうかんでくるのは私にそっくりな兄の顔
「テツ兄…」
彼にはいつになったら会えるのだろうか
そんなことを考えていた
しかし、ふいに襲ってきた睡魔に勝てず、私の思考は夢の中へと堕ちていってしまった
夢の中へ
(私のことを呼ぶ)(君の声が聞こえた気がした)