キセキの再会

□3Q
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ガチャ

ドアが開く音がし、私と先輩たちは騒ぐのをやめて音のしたほうを向く



入ってきたのは5人



一人以外みんなボロボロな格好でこちらに向かってくる



「買ってきま…した…」



坊主頭の子が女の人に袋を渡す



「おつかれー。ありがとっ」


女の人が坊主君にジュースを渡しているのを見ていると、赤髪の目つきが悪い人と目が合った



その人は驚いたように目を見開いた


「く…ろこ…?」


彼は私を見ながら呟いた




  黒子



さっき先輩方も言っていた単語



話からして多分誰かの名字なのだろう



私は『黒子』と言う人が誰なのか知りたくて赤髪の人に話しかけてみた


「黒子って誰なんですか?」


「うおっ!?ちょっ、黒子!!驚かせ…って黒子じゃない!?」


何で驚いてんですかこの人



さっき私のことを見て驚いていたはずなのに



「私は黒子じゃないです。黒河です」


一応名乗っておく


「お、おう、そうか。俺は火神だ。んで、黒子が…」


赤髪の人―火神くんがきょろきょろと周りを見渡す


そして一人の首根っこを捕まえてこちらに連れてきた


「こいつ。こいつが黒子だ」


彼が連れてきたのは少し小柄な水色の髪をした人だった


何すんですか火神君、と彼は言いながらこちらを向く



「テツナ…?」



彼が驚いたように目を見開いた



私はその顔に見覚えがあった



「もしかして…テツ兄…?」



生き別れした私の片割れ



彼はこくん、と頷く



私はそれを合図に彼のもとへ走りだし、抱きついた


「やっと会えた…」


それは片割れとの8年ぶりの再会だった


キセキの再会
(嬉しさのあまり)(涙があふれた)

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