二次創作

□嫌いじゃなかった
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「中也!」
唐突に太宰は俺の名を呼ぶ。
「あんだよ」
「にゃあ」
「は!?」
「だから!にゃあ!」
こいつはとうとう頭がやられてしまったのだろうか…いつかの多幸茸のように…って何だそれ?何故俺の口からそんな言葉が…いや、とにかく今は
「にゃんこだよ。にゃあにゃあ」
その時、しゃがんでいた太宰の横にまだ小さな猫が顔を出した。
「猫か…」
「可愛いねえ君!何だい?食べ物が欲しいのかい?中也!」
「俺は猫の飯なんか用意しねえぞ」
「ええー、どうせ僕の昼飯準備するなら同じようなものじゃない」
「貴様キャットフードでも食いてえのか」
そもそも太宰の昼飯の面倒までみると言った覚えはない。全くない。大体
「うおっ!?」
「あはは、中也ビビったでしょう。今。絶対ビビった」
「急に猫をけしかけるな!!!」
「けしかけるなんて人聞きの悪い。撫でてた手を離したらこの子が自分から中也のほうに」
「知るか!おい!早く!受けとれよ!」
「中也ひょっとして」
「てめぇ今度寝てるとこに犬ぶち込んでやるからな」
「おっとそれは困る…ていうかそのにゃんこ君になついちゃったんじゃない?」
懐く…だと…!?このでき損ない兼死に損ないの面倒を見た上に動物まで世話をしろと!?あり得ない。
「やめろ…離れろ…」
「可愛いねえ中也、うふふ」
何をにやにやしていやがるんだ。
「あ、にゃんこがだからね」
「わあってるよ!!!離れろよ!くそ!てめぇそんな円らな瞳で見つめられたら情が…情がわいちまうだろうが!!!」
「あ、そういうこと」
「ああああ!可愛い!てめぇくそ可愛いな!よしよし待ってろ今なんか作ってやるから!」
「中也ぁー私もー」
「死ねよ」

end

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