Long story

□7Q
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合宿一日目の練習も終わり、
私達は部屋でみんなのお風呂が終わるのをまっていた。

先生から、部員達のお風呂が終わってから入ってくれといわれたからだ。
まぁ皆疲れてるわけだから私達もみんなのほうを優先して。

「っていうか桜子ちゃん料理上手だねー」

「ほんとー?ありがとう」

さつきちゃんは料理があまり上手くないから、
合宿の食事をつくってくれと頼まれていた。

さつきちゃんの料理の腕前はしらないけど
青い顔をして頼まれたからきっとそうとう悪いんだろう。

「桃井ー野々垣ー風呂はいっていいぞー」

部屋の外から、先生の声。
お風呂に行く準備をしていると
青峰君と紫原君が帰ってきた。





「よし、ふとん敷こうか」

私たちのお風呂も終わり、さつきちゃんが声をかける。
ふとんは、左側に2人ぶん敷いて
真ん中を1人分位あけて右側に2人ぶんという風に敷いた。

「大ちゃん達、右と左どっちがいい?」

そうさつきちゃんがきくと、青峰君はめんどくさそうに
どっちでもいいって返した。

「桜子ちゃん、どっちがいい?」

「うーんと、左がいいなぁ」

そういって左側の布団達のなかの左の布団に寝転ぶ。

「じゃあ俺こっちー」

そういって紫原君は、私の隣の布団に寝転ぶ

「ちょ、ちょっとムッ君!?」

「何ー?」

「どうしてこの配置にしたかわかってる?」

「んー、俺と桜子ちんー、峰ちんと桃ちん、でしょ?」

「違うよ!!ムッ君たちはいいかもしれないけど
 私は大ちゃんと一緒に寝るなんて嫌よ!」

「いや、私もよくないよ」

「まぁいいじゃねーか。安心しろ、俺はお前に興味なんざねーから
 襲ったりしねーよ」

けらけら笑いながら青峰君がいう。
それはそれでひどいよと怒るさつきちゃん





「電気けすねー」

なんか、結局紫原君の隣で寝ることになってしまった。

「そういえば紫原君は、
どうしてあんなに青峰君と一緒の部屋になろうとしてたの?」

ふと思って聞いてみる。

「あ!そーだよ!!お前があんなことしなけりゃ
 俺はこんな目にあってねーのに」

「ちょっと、こんな目って何ー?」

「えー、別に峰ちんじゃなくてもよかったけど」

「おい!」

なんかコントのような会話だ。
そう思ってふふっと笑う。

「もしもへんなのと一緒になって、
 桜子ちんにべたべたされたら嫌だしー
 峰ちんが近くにいたから。
 峰ちんだったら桃ちんに気がいってくれるかなーって」

「だから別に好きじゃねーし!!」

幼馴染なだけなのに、恋愛感情を抱いてると思いきってるのか
それともこの会話を楽しんでいるだけなのか
紫原君の心理は全くわからない。





皆が寝息をたてはじめた。

きっと今は1時くらいだろう。
私はなぜか目がさえてしまっていて
なかなか寝付けなかった。

「桜子ちん」

耳元で名前をよばれ、びくりとする。

「紫原君、起きてたの?」

小声で言う。
暗闇のなかで、紫色の目が光を帯びている。

紫原君の手が伸びてきて、私の手を握った。

紫原君は何も言わない。
私も何も言わない。

ドキドキして、青峰君とさつきちゃんの寝息が小さく感じて、
心臓の音が聞かれてしまうんじゃないかと心配になる

これじゃあ眠れないと思ったけど
なんだか安心したような気分になって
すぐに眠れたのは秘密。
 

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