book

□夏バテ
1ページ/1ページ

暑い、何処までも暑い8月5日の午後2時。
俺はいつものように部活。ふと、思ってしまうのは中学時代のこと。
思い出してしまうのは勿論…
「おい、誰か倒れてるぞ!!」
いきなり外で叫び声。
何かと思って外に出ると…「く、黒子っち!?」
何故だか倒れている黒子っちがいた。
「やべぇな、意識がない。呼吸はあるが…」
こんな炎天下で、何でこんなところに?
聞きたかったが今聞ける状態でもなく。
「とりあえず中運べ」
先輩がそう言うので俺は慎重に担いで中に運び入れた。
「誠凜の11番じゃねぇか…!なんでこんなところに?」
知りませんスよ。
呟いて、俺は黒子っちのもとにすとんと座る。
「昔のよしみなんで、俺、意識戻るまでここにいるっス」
理由がおかしかっただろうか?
駄目かなと思っていたら
「意識戻ったらお前だけ倍鍛えてやるよ」
うーわあ。こわーい。
苦笑しつつもはい、と答えると、ホイッスルの音が鳴った。


比較的涼しい保健室に二人きり。
ついつい悪いことを考えてしまいそうになる。
「…でもキス位ならいいスよね…?」
顔を近付けた瞬間。
つー
と、黒子っちの頬を何かが伝った。
え?涙?
黒子っちは泣いていた。
なんで?どうして?
一人混乱するなか、
「…黄瀬、くん…」
不意に名前を呼ばれてびくっとする。
「ね、寝言?」
まだ目は開いていない。
でも、なんで俺の名前…?
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ