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□ピンク
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今日のは桃味か…
親指の半分くらいの大きさのピンクの小袋。
最初見た時は安直に苺かなんかだと思った。
他にピンク色したパッケージの中身と言えばなんだっけ?
…季節物だと桜、さくらんぼ?…実際苺もさくらんぼも赤色やんな…。
?
ピンク…
ピンクな…
ピンクな食い物…
ピンク?
あれ?
ピンクってなんだっけ?
…って、ちゃうがなちゃうがな、ピンクったら色やん。
えーっと…?
ピンク…
…ヤバイ。
意外と桃以外浮かばへんやん…
実は桃って偉大やったのか…
皮だけだけど…
「自分、何ゴンタくんなってんねん…もしかしてその味キライやったん?取り替えよか?」
「は!いらんいらんいらん」
過去最高に真剣に飴ちゃん小袋とにらめっこしてしまった。
折角侑士がくれた飴ちゃんになんて失礼な事を!
「袋ピンクやから苺味かと思ったら桃味だったっちゅーだけや!別に全然全くこれっぽっちも嫌いやないで!どっちかちゅーたら俺は苺より桃のが美味いと信じとるからなー!ホンマや!!ホンマやで!信じてくれ侑士!!!」
「…いきなりどーなったん自分…」
侑士の両肩をガッシと掴み、全身全霊で否定。
俺の勢いに完全に押されたまま、瞬間ぱちぱちと瞬きを繰り返し侑士が小さく何度も頷く。
「いいじゃねぇか桃味!」
「…ぉ、おう…」
強く押したところから腐るんだぜ!
優しく触るんだぜ!
痛みやすいから早く食うんだぜ!
なんて手間隙かかんねん桃!!!
「っとりあえずわかった、わかったから落ち着け謙也…!」
「は。」
俺、不覚。
「す、すまん侑士!」
慌てて侑士の肩から食い込んでいた指をもぎ取った。