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□譲れへん
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ゼーハーと肩で息をしながら汗だくになった白石がやっと現れる。
「あ。おった。遅いで白石」
「…それ絶対ちゃうやろ…」
「なぁーにが「あ。おった。」やドアホ!!!この脳味噌まで筋肉が!」
「おー…なんや、結構元気やん白石。もうちょい走り込みしたらな」
「うっさいわソーローちゃんが!!」
「…」
「だだだだ誰がソーローやねん!!!公衆の面前でなんちゅー事ぬかすんやブツブツ病が!」
「なんやと!?ガブリエルは賢いんや!ちゃんと俺の言う事理解してんねん侮辱罪で訴えるで!!!ソーローちゃんが!」
「ソーローソーロー連呼すんな!!!」
「なんや食い付きおって!やっぱりソーローやねんな謙也!!!」
「死ね!俺はマカいらずや!」
「えぇ加減にせぇ!!!」
「…」
「ぁ」
「自分等…大概にせぇよ…?」
「…」
「ハイ…」
元気やねぇ…
と買い物袋をぶら下げたおばちゃんが微笑ましげに呟いて通り過ぎて行った。