イナゴ,イナイレ短編

□歌姫の旋律
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歌姫のエレジーの続き




『アンジェロ君!あのねあのね〜!』


落ち込むのを止めた

期待するのを止めた

哀歌を歌うのを止めた

……フィディオの事を想い続けるのを止めた



オルフェウスの練習が終わり、アンジェロ君の所へと駆け寄る


「百香、そんなに焦って走ると危ないよ」


アンジェロ君がクスクス笑って言う
後二,三歩というところで誰かに腕を掴まれ、引っ張られた

視界に入った人は、同じ学年でこの間知り合った人だった


「何で……………」

『えっ?』

「何でだよ!やっと、やっと作戦がうまくいってフィディオを諦めたから振り向かせるチャンスだと思ったのに次はアンジェロかよ!」


作戦……?
うまくいった……?
チャンス……?
何、どういう事なの?


「百香…、この子だよ!嘘の噂流したの」

『嘘の噂……』


聞いた話だと、誰かが私と従兄弟が再会のハグをしている写真を撮り

「浮気写真」

と書いてその写真をばらまいたらしい

そしてフィディオは私を嫌いになった、と
なるほど、全部この子の仕業だったのね


『私、貴方みたいな卑怯な人が大嫌い』


「なっ!?俺は歌姫の事が、百香さんが好きだ、歌声も笑顔も全部好きなんだ!」


『じゃあ、もう歌わないし笑わない。』


「百香!?」


それで、私の人生が二度と邪魔されないなら易いもんよ

歌姫の名も捨てるわ
元々、フィディオの為に歌っていたらついた名だもの
未練なんか残してたら諦めきれなくなっちゃう


だから……
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