立海×不二

□二次会は…
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「周助!お願い!!!」


僕は勢いよく下げられた頭を眺めて呆然と立ち尽くしていた。


「いや、だって僕おと…」


そして 言いかけた僕は胸倉を掴まれて至近距離で怒鳴られる。


「わかってるわよ!!!周助が男の子だってことくらい!!!」

「じゃあ…」

「わかった上でお願いしてるの!!!」


目の前で大騒ぎしているのは大学の同期の女の子、笹川。
一応僕が言わんとしていることは理解しているらしいから良かったけど…
あまりの剣幕に思わず後ずさりした。

女の子の頼みを断わるっていうのも なかなか気が引ける。


でも、さすがに―――…





「どうして…、僕が“女装”して合コンなんて行かなきゃならないんだい…?」


 






 「はぁ………」


溜め息は深い。
結局来てしまった。否、連行されてきてしまった。

今日の男はみんなレベルが高いだとか、ひとり都合が悪くなって数を合わせて欲しいだとか…
そんな理由でこんなことをしなくちゃならないのも勿論だけれど、それ以上に こんな格好が似合ってしまう自分も嫌になる。

僕も裕太みたいだったらこんなことにはならなかったのに…
大学生になって今更変えようもない事実にがっくりと肩を落とした。

そんな間にも―――…


「ほらほら周助!着いたよ!」


バシバシと叩かれた肩。
嗚呼、どうして女物の服が入ってしまうんだろう…


「じゃっ!バッチリ、よ・ろ・し・く・ねっ!!!」


パチンっとウィンクを決めてスキップをする笹川。
僕は、いったい何をバッチリよろしくされたんだろうか―――…?
 
 
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