小説

□2章
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 「夕食前には戻るよ」

ロイドはネクタイを締めながら言った。

「…うん」

ユエルは少しだけ淋しそうだった。本当はせっかくの休日をロイドと一緒に過ごしたかったのだろう。

「!」

窓際に居たユエルは窓の外に、こちらへ向かって歩いて来る黒髪の青年を見付けた。

「あ、レツさん来たみたいだよ」

「おいおい、まだ待ち合わせ時間の30分前だぞ。レツの奴、相変わらずせっかちだな」

ロイドは呆れたように笑い、窓の外を見る。

ポケットに手を入れて歩いていた青年はロイドと目が合うとニヤっと笑い、こちらに手を振っている。

青年の名前はレツ・ロイヤー。ロイドの親友である。
ロイド同様に由緒ある家柄の出身だが、ロイドとは違い、彼はロイヤー家の三男であり跡取りではない為、ロイドと比べ自由な立ち場で所謂遊び人である。

 
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