小説
□4章
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翌日、ロイドはレツの住むロイヤー家の別宅の前に居た。
ロイヤー家には三人の息子がおり、三男であるレツは優秀な兄達とは違い遊び歩いていた。
そんなレツは跡取り候補からは外され、本家とは離れたこの別宅に身の回りの世話をしてくれる使用人と住んでいたのだった。
ロイドは朝からずっとレツが出て来るのを待っていた。もちろん待ち合わせなどしていない。
どれくらいの時間待っただろうか。もう諦めて素直にベルを鳴らそうかと悩み始めた頃だった。
ガチャッと扉の開く音と共にようやくレツが出て来た。レツはロイドの姿を見付けると
「…よぉ」
と声を掛けた。
昨日ロイドに殴られたレツの頬はまだ赤く痛々しかった。その姿を見て、ロイドは罪悪感で胸が痛んだ。