小説
□4章
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「もしかして朝からずっと待ってたとか?」
「…ああ。レツにどうしても昨日のことを謝りたかったんだ」
「へぇ…。いつ俺が出て来るかも解らないのに待ってたんだ? 俺さぁ、昼過ぎまで寝てる日もあるんだぜ? ふつーベル鳴らすって」
レツは小馬鹿にするように笑っていたが、その姿は照れ隠しのようにも見えた。ロイドも釣られて少し笑ってしまった。
「それなら尚更ベルを鳴らす訳には行かないだろ? 謝りに来たのに、寝ているところを叩き起こすのも変だしな。待つのが礼儀だと思ったんだ」
「相変わらず真面目だねロイドは」
暫しの沈黙の後、ロイドは真剣な表情で語り始めた。