小説
□5章
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ロイドが扉を開けると、玄関にはロイドの父親とレイスとユエルが居た。
レイスはユエルの後ろに立ち、ユエルの両腕を掴んだ状態で拘束している。
「ロイドぉ!」
「ユエル!? レイス! これは一体どういうことなんだ!?」
バシッと鈍い音が響きロイドは床に倒れた。ロイドの父親がロイドを思いっきり殴ったのだ。
「馬鹿者が!!」
父親はロイドを怒鳴り付ける。ロイドは口から血を流して倒れている。
「ロイドぉ!」
ユエルはじたばた暴れてロイドの元に駆け寄ろうとするが、レイスがそれを許さない。
「いやっ! レイス放して! ロイドロイドぉ!」
「話は全部聞いた! ユエルがオルビス街出身だということも、娼婦の娘だということも! ルーデンベルク家の長男ともあろう者が恥を知れ!!」
父親は激怒していた。ロイドは自分から打ち明けようと思った矢先だったのに、一体何故父親に知られているのか…そもそも父親が帰って来るのは来週だった筈…予定よりも早く帰って来ることになったのなら、何故レイスは知らせてくれなかったのか…という疑問が沸き起こった。