小説

□6章
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 その後ロイドの父親は、恥知らずの馬鹿息子と娼婦の娘とは同じ屋敷に居たくないと言って屋敷を出て行き、その晩は屋敷には戻らなかった。

そしてロイドとユエルはそれぞれ屋敷を出る支度をしていたのだった。

明日の朝にはもう住み慣れたこの屋敷を出なければいけない。あまりにも急すぎる旅立ちでろくな準備が出来なかった。
正式な引っ越しとは訳が違う。あまり沢山の荷物は持って行けない…。

ロイドは必要最低限の荷物だけを纏め終わると、ふと窓から空を見上げた。綺麗な夕日が顔を覗かせている。夕日なんて何度も見ているのに何故だか今日のロイドは沈んで行く夕日に哀愁を感じたのだった。


 
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