小説

□7章
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 今夜は二人がこの屋敷で過ごす最後の夜である。

ユエルは旅支度も歯磨きも終え、後は寝るだけという状況だったが、今夜はなんだか眠れそうになかった。ユエルは寝る前にロイドの部屋を尋ねることにした。

ところがユエルがノックをしても返事がない。部屋に入ってみると、ロイドは眉間に皺を寄せながら真剣に新聞の記事を読んでいた。

「ロイド? ねぇロイド!」

記事に夢中だったロイドはユエルが自分を呼んでいる事に少し遅れてから気付いた。

「ユエル!?」

そして慌てて新聞を乱雑に鞄に仕舞い込んだ。

「…ロイド?」

「ごめん、ちょっとぼーっとしてて気付かなかったよ。どうしたの?」

「うん…ちょっとロイドとお話ししたくて…」


 
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