小説

□9章
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 出発の朝…ロイドは身支度を整えると、出発までの僅かな時間をユエルと二人で過ごしていた。
レツは二人に気を遣って別の部屋に居る。

「帰ったらユエルに渡したい物があるんだ」

「渡したい物?」

「うん。まだ内緒だけど、きっとユエルが喜ぶ物だよ」

ロイドが渡そうとしていた物…それは指輪だった。
自分の気持ちにけじめを付けたら、ユエルに指輪を渡して正式にプロポーズするつもりだった。
と言ってもユエルはまだ12歳…結婚することは出来ないが、ロイドはそれだけ真剣にユエルとの将来を考えていた。

「ロイド…帰ってきたら何処に行ってたのか全部教えてくれる…?」

「ああ…必ずユエルに全部話すよ。だから待っててくれ」

「うん…」


 
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