小説
□11章
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「さん………ルさん…ユエルさん!」
誰かがユエルを呼んでいる。
「…うぅ……ん…?」
ユエルはゆっくりと意識を取り戻した。
「起きましたか…そんな格好で寝ていたら風邪を引きます」
ユエルの前にはメイド服姿の落ち着いた印象の女性が居た。
「あ……!」
ユエルは自分の姿に気付いて慌てて身体を隠すように縮こまった。それと同時に先程の行為を思い出し、ガタガタと震えた。
赤く腫れた目、血と精液で汚された下半身、一糸纏わぬ姿…
しかし目の前の女性はそんなユエルの姿を見ても、特に驚くでも同情するでも無く、まるで感情が無いかのように冷静である。