小説

□13章
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 必ず帰ると約束を交わした小指の温もりを思い出す。
愛する人の帰りをただ待つことしか出来ない。
今夜も少女は壊されて行く―…




 「ねぇ、何でそんな隅っこにいるの?」

ユエルは部屋の隅でレツを睨み付けていた。
それは逃げられないことも、自分の力では為す術が無いことも解っていた彼女の精一杯の抵抗であった。

「お願い、もうやめて! レツ……どうしてこんな事するの…?
ロイドは……ロイドはレツのこと親友だって…優しくて…自慢の親友だって言ってたのに…
それなのに…どうして…ッ!」

レツはじりじりと近付き、ユエルを追い詰めて行く。

「親友ねぇ……で? 自分に手を出したらロイドが黙って無い…とでも言いたい訳?
ほんとムカつく女……自分がロイドに愛されてるって信じてるみたいだね?
ばっかじゃねーの!! 何も知らないんだね」


 
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