小説
□16章
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「………!?」
レツが目を覚ますと直ぐ横にユエルの寝顔があった。ここが自分のベッドではないことに気付く。
「……まじかよ!? っ……!」
頭がガンガンした。昨夜、自室で酒を飲んだことは覚えている。しかしその後の記憶が全く無かった。
この状況からしてユエルと行為に及んだであろうことは想像出来た。
まさかそのままユエルの部屋で寝てしまうとは不覚であった。
「やけ酒、夜這い、泥酔、二日酔いってか…? だせぇ…」
レツは舌打ちをすると、ふらふらした足取りで部屋を出て行った。
自室に戻る途中でシーラと遭遇した。
「レツ様…おはようございます。どうぞこちらを」
シーラは水の入ったコップと二日酔いの薬を持っている。
「おー、サンキュー。それと朝食はパス」
「…かしこまりました」
シーラはレツに一礼し、ユエルの朝食の準備の為に厨房へ去って行った。
一方、その頃ユエルの部屋では…