小説

□21章
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 翌朝、ノバラの私室に通されたユエルは昨日と同じようにノバラと向き合う形で椅子に座っていた。

「昨日はよく眠れたかしら…?」

「………。」

「さて…あなたの答えを聞かせてちょうだい」

「ここで…働きます…いえ、働かせてください」

「ふふ…そうこなくっちゃ!」

ユエルの答えを聞いたノバラは途端に上機嫌になった。そんなノバラを見て不安そうにユエルは言った。

「あのっ…でもごめんなさい。ずっとは無理です…お金が貯まるまでの間だけで…」

「解ってる解ってる。いいわよそれで」

ガチャッ…

「話は纏まったみたいだな」

「!?」

ノックも無しで突然入って来た赤髪の男にノバラは言った。

「ちょっとぉ〜! 乙女の部屋なんだからノックくらいしなさいよ!」

「ユエルちゃんだっけ? 俺はグレン。
賞金稼ぎをしながら、この店の子達の用心棒もやってんだ」

グレンはノバラを無視して自己紹介を始めた。
ユエルはグレンに危ない所を助けてもらったのにも関わらず、初対面ではノエルに間違えられ、まともにお礼を出来ずにいた。

「ユエル・オルフィーユです。えっと…この間は助けてくれてありがとうございました」

「ユエル、グレンはこう見えて腕が立つの。最近はこの街も物騒だから、街の外へ出る時はグレンに着いて行ってもらいなさい。
そうそう…外出は休日ならOKだけど…外出する時は必ずあたしに断ってからにするのよ?
それがここのルールよ。他にもルールは色々あるけど…それは案内しながら説明するわ」


 
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