小説
□22章
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ユエル達はその日も何時ものように開店準備に追われていた。
「いたいた! 二人共〜ノバラさんが広間で呼んでるわよ」
厨房を慌ただしく動き回る中、ユエルとノエルはスズノに呼ばれ、ノバラの元へと向かった。
「ノエル、ノバラさん何の用だろうね?」
「………さあ」
広間に着くとノバラが仁王立ちで二人を迎えた。
「あの…ノバラさん、どうしたんですか?」
「ユエル、あんた今日はノエルと一緒にお客さんの部屋へ行ってもらうわよ」
「えっ!?」
「え!? じゃないわよ。今日は見習いとしてノエルが相手をするお客さんの部屋へ同席してもらうっつってんの!」
「そ、それって……」
「大丈夫よ〜今日はあくまでも見学のみだから。
ちゃんとお客さんにもこの子はまだ見習いなのでって説明するから。
だから今日はノエルの接客やテクを見てしっかり学びなさい!」
「っ……わかりました…」
今までは雑務だけで済んでいたが、いよいよ本格的に客の相手をする為の決心をしなければならなかった。
「あんたの衣装は部屋に用意しておいたから着ておいで」
「…はい」