小説
□24章
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翌朝、ユエルとノエルは外出許可を得る為にノバラと会っていた。
「外出許可? うーん…それは構わないのだけど…今日は朝からグレンが留守なのよ」
「それじゃあ…」
「最近はこの街も物騒だからあんた達だけで街に行かせる訳にはいかないわね…
悪いけどグレンが帰って来るまで待つかまた別の日にしてくれるかしら?」
「あの…グレンさんはいつ帰って来るんですか…?」
「…それは解らないわね…直ぐ帰って来るのか明日まで戻らないか…」
「そんな…二人で街に行くのは駄目ですか…?
絶対危険な場所には近付かないようにしますから…」
しかしユエルの懇願も虚しく許可が得られることはなかった。
「ごめんねぇ…悪いけどそういう決まりなのよ…従業員の安全を守るのもあたしの仕事の内なの…解ってくれるわね?」
「………。」
二人は渋々自室へ戻って行った。
よっぽど楽しみにしていたのだろう。ユエルはひどく落胆していた。
「ノエルと一緒に遊びに行きたかったな…」
「……。」
また泣き出してしまいそうな顔のユエルを見兼ねたノエルが提案をした。
「行こうよ」
「え…?」