小説
□25章
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ノエルは男達のアジトへ連れて行かれていた。
複数人の男達に囲まれどうすることも出来ない状況である。
「このガキ!! さっきはやってくれたなぁ!?」
そう言ってノエルに近付いて来たのは先程ノエルに短刀で手を刺された男だ。
男はノエルの腹部に蹴りを入れ、容赦無く顔を踏みつけた。
「うぐっ……!」
ノエルは苦しそうに控え目なうめき声を上げた。
「何だよこいつ…泣きもしねぇ…! もっと痛めつけるか! あぁ!?」
「おい、やめろ…そんなに蹴ったら死んでしまうぞ。
楽しむ為に連れて来たんだろう…?」
そう言ってリーダーの男が止めに入った。短刀で刺された男は怒りが収まっていないようだったがリーダーに制止され、渋々身を引いた。
「おまえ…あの紅美香登の売れっ子なんだってな?
売れっ子のテクニックを俺達に見せてくれよ?」
「売れっ子なら締まりは良いんだろうなぁ?」
男達は下卑た嘲笑を浮かべながらノエルに触れようとしたその時だった。
「触るな…!」
ノエルは男の手をパシッと払い退けたのだった。
「お兄さんたち…僕を抱きたいならお金持って紅美香登までおいでよ…。
そうしたらイかせてあげるよ…?」