小説

□27章
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 「なぁ、知ってた? 俺がこの店の子たちを守ってやってる代わりに、俺はこの店の利用料金が半額なんだぜ?」

「…えっ、あ…そ、そうなんですか…」

グレンとユエルは布団の上でお互いに向かい合う形で座っている。

「緊張してる?」

グレンはユエルの顔を覗き込みながら言った。

「……大丈夫…です」

しかし言葉とは裏腹にユエルの身体は小刻みに震えていた。

「怖いの?」

「っ……平気…だいじょぶです…」

「ユエルってもしかして…今まで無理矢理されたことしかないとか?」

「!!」

ユエルは意表を突くグレンの指摘に何も言い返すことが出来ずに、ますます硬直してしまった。

「へぇ…やっぱりそうなんだ…何かトラウマでもあるんだろ?」

「っ…!!」

ユエルの心臓はビクッと跳ね上がった。トラウマという言葉でレツに監禁されていた日々が脳裏を過ったのだ。

グレンは恐怖に怯えた表情で先程よりも震えてしまっているユエルを優しく抱きしめた。

 
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