小説

□30章
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 そして漸く待ちに待った給料日が訪れた。

紅美香登の給料日は全員が広間へ集まり、一人一人名前が呼ばれ、ノバラから給料を受け取る形だ。
ユエルにとっては初めての給料でもあり、ノバラに自分の気持ちをきちんと話さなければならない局面でもあった。

「スズノ〜!」

「はい」

「接客も満点、みんなの面倒見も良い…頑張ってるわね。来月も頼んだわよ」

「はい。ありがとうございます」

「次、ティオ!」

「はーい!」

一人、また一人と名前が呼ばれている。給料を受け取った遊女達はみんな嬉しそうにはしゃいでいた。
名前が呼ばれる順番は年功序列なのでノエルは最後から二番目、ユエルは一番最後である。


 
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