shortstory
□またね
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先輩は俺よりずっと高いところを見てた。
俺より小さいのに、目線は俺よりずっと上。
「そんな顔すんなよ。別に会えなくなるわけじゃねーだろ」
先輩はそう行ったけれど。
桜の木の下で笑うアンタはどこまでも遠かった。
(行っちゃう)
手を伸ばしてもアンタは行ってしまう。
「黄瀬、」
「先輩・・・俺・・・っ」
あーあ、泣くつもりなんてなかったのに。
先輩のちっちゃい体を力いっぱいに抱き締める。
いつもなら蹴られるけど、
先輩は「んっ」と声を出して抱き返してくれた。
「先輩、俺。先輩の事大好きッス」
だから行かないで。
離れないで。傍にいて。
「ああ、俺も好きだよ。だから、」
待ってる。
いつかあなたと同じ世界が見れるまで、
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