shortstory
□獣
1ページ/2ページ
「ほら、水」
「おー・・・さんきゅ・・・」
自分で言うのもアレだけど、
珍しく熱をだした。
テツと黄瀬は見舞いに来てくれて他は「うつる」とか言って来やがらない。
んで、今日。
一番来ないと思ってたヤツが来た。
「両親もいないのか」
「まーな。親父は出張、お袋はすぐ治るとかって」
さぞ驚いたのだろう。
怪訝そうに眉間に皺を寄せている。
「昼は」
「まだ」
「そうか、なら台所を借りるぞ。お前は寝ていろ」
お前の料理とかこえぇよ。
言いかけてやめた。
殺される。
出て行く赤司の背中を見つめ、やがて意識は沈んでいった。
.