shortstory
□seriously
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たとえば俺が赤ちんにギュッをする。
けど赤ちんは、
「苦しいよ、敦」
と言ってかわいく笑う。
たとえば俺が赤ちんにキスをする。
けど赤ちんは…
「ねぇ赤ちん」
「何?敦」
誰にもいない教室。
赤ちんは“何となく教室で本を読みたい”とか言うよくわかんない理由で残ってる。
俺は、まあ…
赤ちんと一緒に帰りたいし。
「赤ちんはさー、俺がキスしたらどうする?」
文字を追ってる目がふと止まる。
そして本からその目を離して俺を見上げた。
「どういうことだい?」
「そのまんまだよ。俺が赤ちんに、ちゅーしたらどうするの?」
グイッと顔を寄せたけど、
赤ちんは微動だにせずただ俺を見てる。
「どうする…と言われてもな…」
ふむ、と考え込んでしまった。
(えー…そこ考えちゃうの?)
半分呆れながら、赤ちんの答えを待ってみる事にした。