shortstory

□「彼の定義はなんだろうか。」
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「緑間。俺から“勝利という唯一”が無くなったら俺は…本当に赤司征十郎でいられるだろうか」










今まで抱えていた疑問を率直に、伝える。


すると緑間は生憎、難しい顔をして俺を見返した。








「たとえば、だ」

















盾を破る事の出来ない矛は本当に矛と言えるか?






矛を止める事の出来ない盾は本当に盾と言えるか?











それにしかできない“唯一”を失ってもそれは“それ”のままでいられるのだろうか。





























「つまり赤司、お前は“勝利出来なくなった自分は赤司征十郎本人でいられるのか”と?」



「…ああ」







どうだ?と重ねて問うと、
緑間は呆れに似た溜め息を盛大に吐いて俺にボールを投げつけた。






「お前が持っているのは“勝利だけ”ではないだろう」












彼の投げるボールの様に、


美しく、真っ直ぐ…その言葉は…









「“お前”の事は、俺たちがよく知っている。
うまく言葉にして伝えてやる事はできないが…





勝利だけではない、そんなお前を俺たちは知っている」




















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