shortstory

□呼び方
2ページ/2ページ




やや乱暴に顎を持ち上げられ、唇に大輝のソレを重ねられる。



「んっ…」





突然の事に眉をひそめると、大輝が更に口づけを深くする。



苦しくなって胸板をドンドンと叩くと、
大輝は一瞬離れた。









「征十郎、」














微かに聞こえた大輝の声に、



確信なんてないのに。







全身が熱くなるのを感じた。










そのまま大輝は俺を道連れに倒れ込み、俺を押し倒す形になる。



長いキスで朦朧とする思考回路。
でもバカみたいに先ほどの大輝の言葉が離れなかった。








「だいき、おまえ」





頬に手をやると、熱くなっているのがわかった。




そんな余裕のない大輝を見て、自然と笑みがこぼれる。









(バカみたいだ)









「だいき、もういっかい。よんで」








名前。







「あんな恥ずかしい事二度もできっか、…バカ征十郎」














.
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ