shortstory

□王様のお遊び
4ページ/5ページ





教室をのぞくと、日誌を書く赤司を見つけた。



「赤司ー」

「青峰?どうした、部活に行かないのか?」

「そういうお前は何してんだよ」



見ての通りだ、と手を退かして日誌を見せる。


あああああ
そういう意味じゃねえっての。







「あ、そうだ。さっき紫原がここに来て…」



沈黙を破った赤司の口からそんな言葉が漏れた。

紫原。



表情を見ればやはりどこか楽しそうで、頬まで染めてやがった。





「飴をもらったんだ。お前も…、」

「なあ、俺の前であいつ等の話…止めてくんねえ?」




差し出された飴の乗った手が急に止まる。





「ウザいって」











自分の中のこの感情が一体なんなのか。

それはすぐに分かった。


やきもち、嫉妬。




「…気分悪いっての」



「そう…」





沈んだ声を聴いて慌てて顔をあげた。


悲しませた、突き放した、傷付けた。



しまった、そう思って顔をあげたというのに。






当の本人は満足そうに笑っていた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ