shortstory
□王様のお遊び
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教室をのぞくと、日誌を書く赤司を見つけた。
「赤司ー」
「青峰?どうした、部活に行かないのか?」
「そういうお前は何してんだよ」
見ての通りだ、と手を退かして日誌を見せる。
あああああ
そういう意味じゃねえっての。
「あ、そうだ。さっき紫原がここに来て…」
沈黙を破った赤司の口からそんな言葉が漏れた。
紫原。
表情を見ればやはりどこか楽しそうで、頬まで染めてやがった。
「飴をもらったんだ。お前も…、」
「なあ、俺の前であいつ等の話…止めてくんねえ?」
差し出された飴の乗った手が急に止まる。
「ウザいって」
自分の中のこの感情が一体なんなのか。
それはすぐに分かった。
やきもち、嫉妬。
「…気分悪いっての」
「そう…」
沈んだ声を聴いて慌てて顔をあげた。
悲しませた、突き放した、傷付けた。
しまった、そう思って顔をあげたというのに。
当の本人は満足そうに笑っていた。