shortstory
□失う
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平凡な日々だった。
誰にも見つからずに、隠れて手を繋いで
隠れて抱きしめあって。
その度赤司くんは顔を赤らめるけれど、それすら愛おしかった。
中学校最後の日。
彼は言った。
「抱いてほしい」
と。
突然の事で驚き、戸惑いすらしたけれど
赤司くんがそれを望むなら、と。
彼を押し倒して、キスをして。
今までで一番互いを深く知り、感じ
そして、途方もない喪失感と不安に苛まれた。
──どうして・・・
そんな顔を、するの。
最中の赤司くんの顔は、
ひどく、悲しそうだったのです。