dream2

□君の瞳に魅せられて
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キッカケを思い出してみよう



君とのキッカケを











【君の瞳に魅せられて】










ボトッ




廊下で前を歩いていた子が本を落とした。
図書室で借りた本なのだろう、貸出カードが少しはみ出ていた。




おれは本を拾い上げ
落とし主の肩を叩く。



急に肩を叩かれたにも関わらず驚きもしないでこちらを振り向いた。






肩を叩いたら声をかけて本を渡すつもりだったが
それが出来なかった。



その子の瞳に引き寄せられていたからだ。








数秒してその子の視線に気がつき我にかえった。









「あ、コレ落としたよ」


「…ありがとう」









本を渡したときにチラっと貸出カードの名前が目に入った。








「名無しさん…?」


「…何か?」


「あ!いゃ!!」








何で声に出たんだろうか
少し後悔した。







「ごめん、何でもないよ」


「貴方の名前は?」


「え?」

「貴方だけ私の名前を知るのは狡いと思うの」


「あ、あぁ…そうだね」








何か不思議な子だな。
でもだから引き寄せられるのか。







「久々知兵助」


「久々知、兵助ね」


「うん、よろしく」


「よろしく」









これが僕が君を好きになったキッカケ。




END
2006.09.29
2015.05.04修正


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