私の物語

□番外編
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黒「沙耶」


 『あ、黒くーん』




 私は、後ろからやってきた黒くんに「こんばんは」と言う。
すると、黒くんは呆れたような顔を一瞬してから、「こんばんは」と返してくれた。




黒「なんで、こんな寒い時間に限って外に出てるんですか。」


 『ふふふ。なんか、温かいコンポタージュが飲みたくなってね・・・』




 ほら、温かいよと、私は黒くんの頬に、先ほど買ったばかりのまだコンポタージュをくっつける。
そして、私は鞄からもう1つコンポタージュを出す。




黒「2つも買ったんですか?」


 『あとで、黒くんの家行こうかなって思って買ったんだ。
 だけど、逆に黒くんが私に会いに来てくれたから、私から会いに行く手間が省けちゃったね』


黒「省けちゃったね・・・じゃ、ありませんよ。
 今何時だと思ってるんですか。
 こんな遅くに外行くなら、電話掛けたり、隣の家にまで来て僕に会いに来たらいいじゃないですか」




 それから・・・と、つらつら言葉を並べていく黒くんに
私は思わず耳を塞ぎたくなるが、今は両手にコンポタージュを持ってるから、出来ない。




黒「そもそも、仮でも一応女子ってこと理解してください。」


 『く、黒くんひどいよ・・・
 今年最後なんだから、そんなに怒らなくても・・・』


黒「怒ってませんよ」


 『え、でも・・・怒ってるよ・・・?』


黒「僕は怒ってるんじゃなく、心配してるんですよ。」


 『っ・・・!』




 勘違いしてしまった・・・//
恥ずかしくて、黒くんの顔見れないよ・・・//

 ギュッとコンポタージュを握ってる手に力を込めると
温かいっていうのを忘れてしまい、




 『あ、あつっ!?』




 手が熱くなって思わず地面に落としてしまった。




黒「熱くても、落とさないでください。」


 『ご、ごめん』




 黒くんには、落としていない方のコンポタージュを渡すと、「沙耶は、こっちを飲んでください」と言われ、返される。
黒くんは落としてしまった方のコンポタージュを拾い、すぐ開けて飲み始める。




黒「あ、」


 『どうしたの??』


黒「沙耶、今年色々とありがとうございました。」


 『あ、私の方がしょっちゅう迷惑かけてるんだし・・・
 私こそ、ありがとうございました。

 来年もよろしくね、黒くん』 


黒「言われなくても、そうします」



 あまり、変わらない黒くんの顔が一瞬笑った顔になる。

 その時、お寺の鐘が鳴った。




黒「・・・といっても、もうなりましたけどね。」


 『うん。

 じゃあ、改めて、今年もよろしくね』


黒「はい。
 こちらこそ、よろしくお願いします」





END


(黒くん、神社に寄ろうよ!初詣!)(僕は沙耶を迎えに来たんですが・・・)
(黒くん、財布持ってきた?)(念のため持ってきました。)
(結局行く気満々だね!)(一昨年が去年と同じパターンだったからですよ)
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