私の物語
□12色
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八・黒「「あ、」」
店から出てきた、黒くんにばったりと遭遇してしまった。
『黒君、やほ』
黒「試合、見に来てましたか?」
『も、もちろん見たよ。』
いや、嘘です。
半分以上見てませんでした!
だから、そんなジリジリと、私を見ないで!
とにかく、話題を探さなければと、頭を働かそうとすると、
きー君が、「ちょっと話さねぇスか」と、言った。
黒は、そのきー君の誘いに対して、黙って頷く。
そんな2人を見て、どうしようかなんて、八重ちゃんを見るが、
八重ちゃんは付いていく気満々な顔で私を見てる。
仕方ないなぁ・・・。
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『ここでいいんじゃないかな?』
黄「そうっスねー」
私たち4人は、人気の少ない公園に入り、きーくんは真っ先にベンチへと直行する。
きーくんの後ろに続き、私たちもベンチへと歩むが、きー君がベンチを占領してるので、その場に突っ立つ。
黄「・・・てか、こうしてちゃんと話すのも久しぶりっスね。
ケガ、大丈夫スか?」
黒「・・・はい。
ケガは大丈夫です。」
大丈夫だったんだ、よかったぁ・・・
と、私はその会話を聞いて胸をなで下ろす。
「そういえば、緑間っちに会ったっスよ。」
『私たちもあったよー』
「え、会ったんスか??」
『うん。相変わらずな緑だったよ』
そう言うと、「それ、どういうことなんスか。」
なんて苦笑気味で言う、きー君は知らないよ。
それに、黒くんも「あの人はちょっと苦手です」って言うし。
まぁ、確かに、黒くんの苦手な人だったなぁって、改めて思ったけど。
え、八重ちゃん?
八重ちゃんの中での緑くんの印象は「利用できる人だよね。だけど、苦手」だ。
なぜなら、テストのときにコロコロ鉛筆が使えるからだそうだ。
だけど、ちょっと二人っきりになるのは勘弁、耐えられないらしい。
黄「けど、あの左手はハンパねースよ、ジッサイ。
蟹座がいい日には特に。」
黒「・・・はい。」
黄「ま、今日は見に来ただけらしースわ」
わざわざ、県外である東京から。
しかも、リアカーで・・・。
たぶん、此処まで漕いだのは高尾くんだと思うけど・・・。
ご苦労様です、高尾くん。
黄「それより・・・・・・黒子っちたちにフられ試合も負けて、デートの約束も破っちゃって、
高校生活、いきなりふんだりけったりスわ〜。」
八「ざまぁww」
黄「こんな風に相変わらず、柚っちからの厳しい言葉貰ったりするし・・・。
ダメ元でも一応マジだったんスよー!?」
『きーくん、あぶないよ。』
黄「大丈夫っスよ」
黒「じゃあ、ベンチ揺らしますよ。
それから、その・・・すいません。」
きーくんが座ってるベンチを揺らそうと、黒くんは手をベンチにつける。
「やめて!本気に落ちちゃうっス!」と、きーくんは嘆く。
その横で「じゃあ、あたしも手伝う」なんて悪ノリする八重ちゃんなんて知らない。
黄「じょ、冗談スよっ!!だから、やめて欲しいっス!」
黒「やめて欲しいなら、続きを話してください」
黄「分かったっスから!
そんなことより話したかったのは、理由を聞きたかったんスよ。
なんで・・・全中の決勝が終わった途端、姿を消したんスか?」
きーくんは、自分が持っているボールを黒くんに優しく投げる。
黒くんは、ボールを受け取り、少し間を空けてから口を開いた。
黒「わかりません。」
黄「へ?」
おぉ!間抜けなきー君の顔が見れた!
黒くんも黒くんで「わからない」だなんて。
まぁ、私も分からないんだよね。
その試合当日、インフルエンザになったから。
はい。マネが体調管理できなくてどうするだよね??
しかも、夏にかかるって可笑しいよね。ほんとに笑えます。ハハハハ・・・。
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