私の物語

□12色
3ページ/5ページ






 
八・黒「「あ、」」




 店から出てきた、黒くんにばったりと遭遇してしまった。




 『黒君、やほ』

黒「試合、見に来てましたか?」

 『も、もちろん見たよ。』




 いや、嘘です。
半分以上見てませんでした!
だから、そんなジリジリと、私を見ないで!

 とにかく、話題を探さなければと、頭を働かそうとすると、
きー君が、「ちょっと話さねぇスか」と、言った。
黒は、そのきー君の誘いに対して、黙って頷く。

 そんな2人を見て、どうしようかなんて、八重ちゃんを見るが、
八重ちゃんは付いていく気満々な顔で私を見てる。


 仕方ないなぁ・・・。





━━━





 『ここでいいんじゃないかな?』

黄「そうっスねー」




 私たち4人は、人気の少ない公園に入り、きーくんは真っ先にベンチへと直行する。
きーくんの後ろに続き、私たちもベンチへと歩むが、きー君がベンチを占領してるので、その場に突っ立つ。




黄「・・・てか、こうしてちゃんと話すのも久しぶりっスね。
 ケガ、大丈夫スか?」

黒「・・・はい。
 ケガは大丈夫です。」




 大丈夫だったんだ、よかったぁ・・・
と、私はその会話を聞いて胸をなで下ろす。




「そういえば、緑間っちに会ったっスよ。」

『私たちもあったよー』

「え、会ったんスか??」

『うん。相変わらずな緑だったよ』




 そう言うと、「それ、どういうことなんスか。」
なんて苦笑気味で言う、きー君は知らないよ。
それに、黒くんも「あの人はちょっと苦手です」って言うし。
 まぁ、確かに、黒くんの苦手な人だったなぁって、改めて思ったけど。

 え、八重ちゃん?
八重ちゃんの中での緑くんの印象は「利用できる人だよね。だけど、苦手」だ。
なぜなら、テストのときにコロコロ鉛筆が使えるからだそうだ。
だけど、ちょっと二人っきりになるのは勘弁、耐えられないらしい。




黄「けど、あの左手はハンパねースよ、ジッサイ。
 蟹座がいい日には特に。」

黒「・・・はい。」

黄「ま、今日は見に来ただけらしースわ」





 わざわざ、県外である東京から。
しかも、リアカーで・・・。

 たぶん、此処まで漕いだのは高尾くんだと思うけど・・・。
ご苦労様です、高尾くん。




黄「それより・・・・・・黒子っちたちにフられ試合も負けて、デートの約束も破っちゃって、
 高校生活、いきなりふんだりけったりスわ〜。」

八「ざまぁww」

黄「こんな風に相変わらず、柚っちからの厳しい言葉貰ったりするし・・・。
 ダメ元でも一応マジだったんスよー!?」

 『きーくん、あぶないよ。』

黄「大丈夫っスよ」

黒「じゃあ、ベンチ揺らしますよ。
 それから、その・・・すいません。」




 きーくんが座ってるベンチを揺らそうと、黒くんは手をベンチにつける。
「やめて!本気に落ちちゃうっス!」と、きーくんは嘆く。
その横で「じゃあ、あたしも手伝う」なんて悪ノリする八重ちゃんなんて知らない。




黄「じょ、冗談スよっ!!だから、やめて欲しいっス!」

黒「やめて欲しいなら、続きを話してください」

黄「分かったっスから!
 そんなことより話したかったのは、理由を聞きたかったんスよ。


  なんで・・・全中の決勝が終わった途端、姿を消したんスか?」




 きーくんは、自分が持っているボールを黒くんに優しく投げる。
黒くんは、ボールを受け取り、少し間を空けてから口を開いた。




黒「わかりません。」

黄「へ?」




 おぉ!間抜けなきー君の顔が見れた!
黒くんも黒くんで「わからない」だなんて。
まぁ、私も分からないんだよね。


 その試合当日、インフルエンザになったから。
はい。マネが体調管理できなくてどうするだよね??
しかも、夏にかかるって可笑しいよね。ほんとに笑えます。ハハハハ・・・。






.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ