短編
□好きな子と内心アレな赤司くん
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教室に戻り、席に着くと同時にチャイムが鳴る。
「・・・(チラッ」
『・・・・・・』
ちらっと沖絵さんを見てみると、こちらに気づかず集中して授業を受けている。
教卓の前で話す先生をBGMにして、僕はぼぅっと、前を見る。
すると、前の人が後ろに振り返り僕に“沖絵からだと”と言い、机の上に置く。
僕はすぐ、折り畳んである紙を広げる。
そこには、丸くて小さな字で、
“さっき顔から倒れてたけど、大丈夫でしたか?”と、書いてあった。
「・・・っ//」
僕は授業中に、こんなことはやらないけど、返したらどんな反応するかなと、返事をしたい気持ちになって、
ルーズリーフを一枚取りだし、手でなるべくきれいに千切って、ペンを走らせる。
そして、書き終え、前の人に
「ヒソッ)これ、沖絵まで回してくれ」
と、頼み、前の人たちは先生にバレないように注意し、
沖絵さんに近い人へと回し、沖絵さんへと届いた。
彼女は、僕が返してくれないだろうと思っていたそうで、少し驚いていた。
『・・・(チラッ』
「!」
『・・・(ニコ』
「・・・!」
お、落ち着け、赤司征十郎!!
沖絵さんに微笑んで貰っただけで、舞い上がっちゃダメだ!
舞い上がっていいのは、つきあっt・・・やっぱ、いまのなし!!
平常心平常心。保て、僕の顔!
おねがいだ、変な顔になってないよな!?
いつものポーカーフェイスを!!
しばらくして、また前の人から“沖絵から”と、メモを貰う。
広げてみると、
“私も好きです”
と、書かれて・・・・やった!!
やったぞ!ついに、僕はやったぞ!
だが、それは後々壊されることだった
「狽チ!?」
“今度一緒にすき焼きパーティーしましょうね”
好き、という下にそう書かれていた。
何故ならば、僕が勇気を出せず、
何度も書き直したが“すき焼きは好きですか?”という、このような結果がになってしまい、そのまま渡したからだった。
・・・なんで、彼女の前だとこうなるんだろう。
テツヤに相談でも持ち込もうか。
あいつなら、いい案が出そうだからな。
真太郎は固まるだろうし、敦は恋愛に興味なさそうだからな。
あっても、どんな人か見に行くだけだろう。
ほかは却下だな。飽きるまでネタにされる。
というわけで、放課後の部活のときにでも、
僕はテツヤに言おうと思った。
END
(テツヤ)(なんですか?)
(ちょっと人生相談について聞きたいんだが)(は??)