短編

□ジロちゃんと私
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『え、ジロちゃんいないんですか??』




只今現在、ジロちゃんちのクリーニング店内にて、
私はジロちゃんのお母さんに「ジローは今、部活でね、いないのよぉ」と、困ったように笑う。
そんな風に笑うジロちゃんのお母さん、素敵です。

ジロちゃん、いないのか・・・。
確かに、テニス部に入ってるから忙しいし・・・、
更に言うと、ジロちゃんの学校、強豪って言われてるからなぁ・・・。
ふうぬ・・・。

でも、今日はジロちゃんの誕生日だし、向こうでも祝われるからな・・・。
私は、プレゼントだけおば様に「あとで、ジロちゃんが帰ってきたら、渡してください」
と渡し、店内から出た。






━━━






ブッブーッ


『あ、l○neだ。』




誰だろ・・・??
ゲームを一旦中断させ、スマホの電源ボタンを押す。

ジロちゃんだ。
今さっき、部活から帰ってきておば様にあずけてたプレゼントを貰ったらしい。(写真もついてた)




♪〜




今度は、電話かよっ!
誰からだろー?より、絶対にジロちゃんだと私は思う。




『やほやほ』

「《やっほー、李里ちゃん!》」




ほらね。
この声からして、このテンションからして、やっぱ、ジロちゃんだ。




『ジロちゃん、部活お疲れさま。
それから誕生日おめでとう』

「《ありがとうだC〜!》」

『プレゼンt(慈「《でもね、でもね、オレ!》」・・・うん?』

「《やっぱ、今から公園ね!だから、はやく来て!》」

『ごめん、話の流れがよく分からないy(「《じゃ、またあとでね!》」ちょ、ジロちゃん・・・!?』




ジロちゃんと、もう一回呼ぼうとするとブツって切られた。
ジロちゃーん・・・。
拒否権ってないのー・・・?
虚しいな、外出るのもめんどくさい。
かといって、家に一人でいるのもつまらないし、ジロちゃんとの約束(?)破りたくないから、もう一回外に出ようかな。

ジロちゃんのところへと













『ジロちゃーん』

「李里ちゃ〜ん!!」




ぱっと、飛びついても構わないよ!というように開き、
ジロちゃんはそんな私に突進するような速さで抱き付くが・・・




『ぐふぅ・・っ!?』

「会うのは久しぶりだC〜!!」

『や、やめっ、くるしっ!!』



再会は私も嬉しいよ。
最近はl○neでのメールや電話のやり取りだけだったし。
学校違うからね、会いたくても都合とか合わないし。
けど、骨が!さすが男子って言いたいけど、骨!!




「あ、ごめん。」パッ

『い、いや、大丈夫だよ。
ジロちゃん、改めて誕生日おめでとう!』

「ありがとう、李里ちゃん!」ニコニコ

『ジロちゃん。誕生日プレゼント、あれでよかった?』

「うん。スポーツ選手だしね!
それに、オレの好みだったし!」ニコニコ

『どれだけジロちゃんと買い物に行ったと思ってるの!』

「それなら、何年の付き合いだと思ってるの!っていう方が嬉しいなー!!」ニコニコ




た、たしかに。
私もジロちゃんに、そう言われたら嬉しい。
ニコニコとしているジロちゃんなら更に嬉しい。




「あとね、オレ」

『?』

「誕生日プレゼント、もう一つ貰ったんだ!」

『よかったね!部活の人にもらえて!』




嬉しそうなジロちゃんに吊られて、つい私も嬉しくなりそう言う。
が、ジロちゃんはその瞬間ニコニコとした顔から、「え?」とぽかんとなった。

え、私何かした??




「何言ってるんだCー」むすー

『え、ちがうの?』

「貰ったけど、オレが言ってるのは今の話!」

『今??』

「そう!」

『貰ったの?』

「うん!李里ちゃんから!」

『私?タオルとかしかあげてないよ?しかも、今じゃないし』




よく分からん。ジロちゃんは何を言ってるんだ。

ジロちゃんは、またニコニコし始める。

かわいいなー、いやされるー。




「まだ知らなくていいよ!」ニコニコ

『まだって、そのうち分かるの?』

「うん!鈍感じゃなければねー!
でも、手遅れだと思うCー!」ニコニコ

『ひどい・・・』




そんな明るく癒される笑顔で言わないで欲しいな。
地味に傷付くからさー(泣




「ねぇねぇ、李里ちゃん」

『なんだい?ジロちゃん』

「オレ、今年の李里ちやんの誕生日にね、言いたいことあるんだ!」

『えー、別に今でもいいんだよ?
だって、ジロちゃん、そう言っときながら忘れてるもの』

「Eー!!やだやだ!
言うのは李里チャンの誕生日の日がいい!」




だから、お願い!というように、私をみる。
こうなったら、私でも止められないから、仕方ないな。

でも、忘れたら忘れたで傷付くし・・・。
ここは、ジロちゃんに賭けた方がいいのかな・・・??




『じ、ジロちゃん』

「んー?」

『分かったけど、その・・・わ、忘れないでね?』




ジロちゃんは、すぐ「李里との約束、破ったことないから、大丈夫だCー!」
と、太陽みたいな明るい笑顔で答えてくれた。





End

(李里ちゃん!)(あ、ジロちゃん!)
(誕生日おめでとう!それから、好き!)(〜っ!私だって好きだよ!)
(オレの方が好きだもん!)(私の方がジロちゃんのこと大好きだもの!)
(なら、オレは愛してる!!)(〜っ//)
 

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