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《はじめに》

こちらは、「プチメニュー」にあります「世界が終わるまでは…」の第11話ラストにて、一護と織姫が結ばれる場面を具体的に(笑)書いたものです。
先にそちらをお読みいただくと状況が分かりやすいかと思います。

「世界が終わるまでは…」第11話はこちら











**********************










…怖かったんだ。

10年の間、俺だけが井上への想いを勝手に膨らませて。

10年の間、俺だけが年を重ねて。

やっと目覚めたオマエを手に入れたその瞬間から、俺を襲ったのは「失う怖さ」。

…だって、俺が17歳だった頃、28歳のヤツなんて遥かに大人で、別世界に住む人間みたいに思っていて。

今の井上の瞳にも、俺がそんな風に映っているんじゃないか…って。
17歳の井上が一緒にいたいと願うのは、俺じゃなくて同じ歳ぐらいの男なんじゃないか…って。

だから、誰とも接触しないように、誰にも興味をもたないように。
井上をこの部屋に閉じ込めることばかり、考えていたんだ。

…けれど、違った。

「ずっと一緒にいたい」

そう本心を打ち明けた俺に、井上は泣きそうな顔で笑ってくれたんだ。











《10→0》











「ん…。」

ソファの上、井上と抱き合って、幾度も口づける。

数時間前に、喧嘩して。
ほんの数分前に、仲直りして。
10年間胸の内に秘めていた想いを打ち明け、今やっと通じ合ったばかりなのに。

…ごく自然に抱き合って、キスをしている俺と井上。
それとも、自然だ…なんて感じているのは俺だけなんだろうか?

「井上…。」
「あ、く、黒崎…くん…。」

飽きる程に長いキスをして。
俺が彼女の衣服に手をかければ、井上の表情に戸惑いの色が浮かぶ。

「…嫌か?」

どう考えても、非常識なのは俺の方。
なのに、井上の方がどこか申しわけなさそうに言葉を紡ぐ。

「あの…ね…。私、その…初めて、なの…。」
「…だろうな。」
「だからね、きっと上手くできないし、黒崎くんから見たら子供みたいな身体かもしれなくて…。」

服の胸の辺りをきゅっと握りしめながら、震える声でそう告げる井上。

「…ばぁか。」
「え?」
「上手いも下手もあるかよ。…俺だって、初めてなのに。」
「…え?だって、黒崎くん…。」
「確かにもう28歳だよ。けど…仕方ねぇだろ、抱きたい女がずっと手の届かないところで眠ってたんだからよ。」
「…あ…。」
「言っただろ、俺は10年待ってたんだ…って。」

今日でもう、はぐらかすのも誤魔化すのも止めだ。
俺が正直に「オマエを抱きたい」と本心を告げれば、井上はこくり…と小さく頷いて。
服の胸の辺りを掴んでいた手をゆっくりと解き、俺に全てを委ねるかの様にソファの上に身体を開いた。

「…嫌じゃあ、ねぇんだな?」

俺が念を押す様にそう尋ねれば、頬を朱に染めながらも、再びこくり…と首を縦に動かす井上。

俺の無骨な指が、彼女のワンピースのボタンに手をかけ外していくのを、井上は大人しく受け入れてくれて。

「…あ…!」

やがて、ワンピースの内側に滑り込んだ俺の手が、井上の肌に触れる。

10年待ち望んだその白い肌の感触は、思っていたよりもずっと滑らかで、夢の中みたいに頼りなくて。

服の中、その身体のラインを確かめるかの様に俺が手を這わせれば、井上がぴくりと反応した。

「…んっ…!」
「井上…ずっと…待ってたんだ…俺は…。」
「く、黒崎くんっ…。」

全てのボタンを外し、そっとワンピースを開く。

そこに現れた、純白のブラに覆われた二つの膨らみと見事な谷間に、釘付けになる俺の目。
無意識の間にこくり…と俺の喉が鳴る。

「…嘘つけ、どこが『コドモの身体』だよ。」
「…だ、だって…。」

井上が、未だ不安そうに呟く。

確かに、今目の前にあるのは、高校時代、一緒に教室で勉強していたあの頃と同じ、井上の身体。

豊かすぎる胸は申し分なく成長しているようで、なのにまだどこか未成熟さを感じさせて。

17歳…その年齢を改めて実感する。

…けれど。

多分、井上も同じなんだ。
俺が17歳の井上を抱くことに罪悪感を抱くように、井上もまた17歳であることにコンプレックスを感じている。

だったら…いっそそんな背徳まで、一緒に抱えていけばいい。

「…綺麗だ…井上…。」
「…ほんとに?本当に?」
「ああ…お世辞でも何でもねぇ、俺の本心だよ。」
「黒崎…くん…嬉しい…。」

俺の肩に回される、井上の白い腕。
俺もまたソファから少し浮いた井上の背中に手を回し、ブラのホックを外した。

「…あ…!」
「…何だよ、いいんだろ?」
「…う、ん…でも、やっぱり恥ずかしっ…やん…。」

はだけたワンピースの間から覗く二つの膨らみに、顔を埋めて。
ホックを外したことにより、簡単に露わになったその先端の果実を咥える。

「…ひゃうっ…!」
「…ん…井上…。」
「ん、やぁ…っ!黒崎くぅん…っ!」

いっそ、10年の間抑えつけていた欲望を一気に解放して、狂った様に井上を貪り尽くしてしまいたいのに。

桃色に色付く先端を舌先で転がしたり、軽く吸い上げたりしてやれば、「いや、いや」と言いながら俺にしがみついてくる井上が可愛くて。
…やっぱり、優しくしてやらねぇと…なんて。

こんな幸福で贅沢な葛藤、二度と味わえないんだろうな…そんなことを思ってみた。







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